塗装の色合わせの難しさと対策

最終更新日: 2026-08-12

車のキズを補修する整備士

「純正の色番号で塗ったのに、なんとなく色が違う」。部分塗装の仕上がりへの不満は、ほぼこれです。原因は店の手抜きとは限らず、塗装という作業の本質的な難しさにあります。知っておくと、店選びの目が変わります。

この記事の目次
  1. カラー番号通りでは合わない理由
  2. 調色とぼかしという技術
  3. 色ズレしにくい店の見分け方

カラー番号通りでは合わない理由

車には塗色を示すカラー番号があり、塗料メーカーには対応する配合データがあります。それでも色が合わない理由は主に2つです。

  • 経年変化:塗装は紫外線で少しずつ退色する。新車データ通りの色は、数年走った車のボディより「新しい色」になってしまう
  • 製造時のばらつき:同じ色番号でも、製造時期や工場によって微妙な差がある

つまり、合わせるべきは色番号ではなく「今のこの車の色」です。ここからが職人の仕事になります。

調色とぼかしという技術

色を合わせるために、塗装職人は2つの技術を使います。

  • 調色:配合データを起点に、実車のパネルと見比べながら原色を足して色を追い込む作業。メタリックやパールは光の当たり方で見え方が変わるため、難度が高い
  • ぼかし(ブレンド)塗装:修理箇所の境目で塗装を薄く広げ、隣接部分と色を馴染ませる技法。人間の目は「境目」に敏感なので、境目をなくすことで色差を知覚させない

見積もりで「ぼかし範囲」が隣のパネルまで含まれているのは、手抜きどころか丁寧な仕事の印です。逆にぼかしなしの最安見積もりは、色ズレのリスクを抱えています。

色ズレしにくい店の見分け方

調色の腕は外からは見えませんが、手がかりはあります。

  • ホームページや店頭で「調色」「難色対応」に言及している(パール・マツダ系の赤・ソリッドの白などの実績があると心強い)
  • 仕上がり保証(色ムラ・剥がれへの対応)を明示している
  • 見積もり時に「この色は難しいので」と正直にリスクを説明してくれる

とくにパール系・キャンディ系の特殊色は店による差が出やすい領域です。同色の修理実績を写真で見せてもらえれば、それが一番確実な判断材料になります。

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